「再調達原価」ってなに?
原価法では、まず**「この不動産を価格時点でもう一度つくるとしたら、いくらかかるのか」**を考えます。その出発点となるのが「再調達原価」です。
たとえば、20年前に2,000万円で建てた家があるとします。
現在は、建築資材の価格や人件費などが当時とは変わっているため、「20年前にいくらで建てたか」だけでは、現在の建物の価値を適切に考えることはできません。
そこで、価格時点において、同じような建物をもう一度建てるとしたら、どのくらいの費用が必要になるのかを考えます。これが再調達原価の基本的なイメージです。
ただし、再調達原価がそのまま現在の建物の価値になるわけではありません。実際の建物には、築年数の経過や傷み、設備の古さなどによる価値の減少があるからです。
そのため原価法では、まず再調達原価を求め、そこから**建物などの価値が減少した分を差し引く「減価修正」**を行って、現在の価格を求めていきます。
ここからは、不動産鑑定評価基準に沿って、再調達原価をどのように考え、求めていくのかを詳しく見ていきましょう。
再調達原価の定義
「再調達原価」とは、対象不動産を価格時点でもう一度調達するとしたら、適正にどれくらいの費用がかかるかを表すものです。
ただし、建設資材や工法が変わり、同じものを再調達することが難しい場合は、対象不動産と同等の有用性を持つものの「置換原価」を、再調達原価とみなします。
再調達原価とは、対象不動産を価格時点において再調達することを想定した場合において必要とされる適正な原価の総額をいう。
なお、建設資材、工法等の変遷により、対象不動産の再調達原価を求めることが困難な場合には、対象不動産と同等の有用性を持つものに置き換えて求めた原価(置換原価)を再調達原価とみなすものとする。
再調達原価を求める方法(原則)
基本的な求め方
「再調達原価」とは、対象不動産を価格時点でもう一度つくるとしたら、通常どれくらいの費用がかかるかを表すものです。
具体的には、標準的な建設費に、発注者が直接負担する通常の付帯費用を加えて求めます。
再調達原価は、建設請負により、請負者が発注者に対して直ちに使用可能な状態で引き渡す通常の場合を想定し、発注者が請負者に対して支払う標準的な建設費に発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を加算して求めるものとする。
置換原価を使用する場合の求め方
「置換原価」とは、対象不動産とまったく同じものではなく、同等の有用性を持つ不動産を新たにつくるとしたら、いくらかかるかを表すものです。
具体的には、標準的な建設費に、発注者が直接負担する通常の付帯費用を加えて求めます。
なお、置換原価は、対象不動産と同等の有用性を持つ不動産を新たに調達することを想定した場合に必要とされる原価の総額であり、発注者が請負者に対して支払う標準的な建設費に発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を加算して求める。
通常の付帯費用の留意事項
「通常の付帯費用」には、建設費以外にも、建物の引渡しまでに必要となる資金調達費用や、標準的な開発リスク相当額などが含まれる場合があります。
つまり、再調達原価や置換原価を求めるときは、建物を建てる直接的な費用だけでなく、完成までに通常必要となる付随的な費用も考慮するということです。
これらの場合における通常の付帯費用には、建物引渡しまでに発注者が負担する通常の資金調達費用や標準的な開発リスク相当額等が含まれる場合があることに留意する必要がある。
再調達原価は、具体的には土地、建物及びその敷地の、種別及び類型によって求め方が異なります。詳しくは以下のページで解説します。