不動産鑑定評価基準

条件設定をする場合の制限・依頼者との必要な合意事項

鑑定評価の「条件」は自由につけられるわけではない

不動産鑑定では、目的に応じて「このような状態だったとしたら」と条件を設定したり、調査する範囲を限定したりして、価格を求めることがあります。

しかし、どんな条件でも自由に設定できるわけではありません。

たとえば、実際には実現する可能性がほとんどない状態を前提にして価格を求めれば、その結果を見た人が「この不動産には本当にこれだけの価値がある」と誤解してしまうかもしれません。

不動産の鑑定評価は、依頼した人だけが利用するとは限りません。金融機関や取引の相手など、第三者がその結果を判断材料にすることもあります。

そのため、条件を設定するときには、その条件が現実的なのか、鑑定評価を利用する人に誤解を与えないかなどを慎重に確認する必要があります。

ここからは、不動産鑑定評価基準に沿って、条件を設定する際にどのような制限や注意点があるのかを見ていきましょう。

鑑定評価が鑑定評価書の利用者の利益に重大な影響を及ぼす場合における条件設定の制限

かんてい先生
かんてい先生

証券化対象不動産など、鑑定結果が多くの人や重要な取引に大きな影響を与える場合は、原則として「実際とは違う状態を想定する条件」や「調査を限定する条件」は設定できません。

つまり、利用者を守るため、できるだけ現実の状態をそのまま評価することが求められるんですね。ただし、一定の要件を満たす未竣工建物については例外が認められます。

証券化対象不動産の鑑定評価及び会社法上の現物出資の目的となる不動産の鑑定評価等、鑑定評価が鑑定評価書の利用者の利益に重大な影響を及ぼす可能性がある場合には、原則として、鑑定評価の対象とする不動産の現実の利用状況と異なる対象確定条件、地域要因又は個別的要因についての想定上の条件及び調査範囲等条件の設定をしてはならない。ただし、証券化対象不動産の鑑定評価で、各論第3章第2節に定める要件を満たす場合には未竣工建物等鑑定評価を行うことができるものとする。

条件設定に関する依頼者との合意等

かんてい先生
かんてい先生

条件を付けて鑑定評価を行う場合は、「この条件で評価します」ということを、あらかじめ依頼者と合意しておく必要があります。

また、その条件が適切でないと判断した場合は、そのまま評価を進めず、依頼者にきちんと説明して、妥当な条件へ変更するんですね。

  1. 条件設定をする場合、依頼者との間で当該条件設定に係る鑑定評価依頼契約上の合意がなくてはならない。
  2. 条件設定が妥当ではないと認められる場合には、依頼者に説明の上、妥当な条件に改定しなければならない。

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