どこまで調べるかを決めて評価する「調査範囲等条件」
不動産の価値を正しく判断するには、その土地や建物について必要な調査を行うことが欠かせません。
ただし、不動産の調査にはさまざまなものがあります。土地の境界や土壌の状態、建物の内部など、詳しく調べようとすれば調査の範囲は非常に広くなります。
そこで鑑定評価では、一定の場合に、**「今回の鑑定では、ここまでを調査の範囲とする」**という条件をあらかじめ設定することがあります。これが「調査範囲等条件」です。
もちろん、調査を省略した結果、鑑定評価の信頼性が損なわれてしまっては意味がありません。そのため、どのような場合に調査範囲等条件を設定できるのかについても、きちんとルールが定められています。
ここからは、不動産鑑定評価基準に沿って、調査範囲等条件とはどのようなものなのか、どんな場合に設定できるのかを見ていきましょう。
調査範囲等条件
かんてい先生
「調査範囲等条件」とは、通常の調査では確認することが難しい価格形成要因について、調査する範囲を限定して評価するための条件です。
ただし、自由に調査を省略できるわけではなく、その条件を設定しても、鑑定評価書を利用する人が不利益を受けるおそれがない場合に限られるんですね。
不動産鑑定士の通常の調査の範囲では、対象不動産の価格への影響の程度を判断するための事実の確認が困難な特定の価格形成要因が存する場合、当該価格形成要因について調査の範囲に係る条件(以下「調査範囲等条件」という。)を設定することができる。ただし、調査範囲等条件を設定することができるのは、調査範囲等条件を設定しても鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないと判断される場合に限る。