再調達原価の求め方には「直接法」と「間接法」がある
再調達原価は、**「同じような不動産を価格時点でもう一度つくるとしたら、いくらかかるのか」**を考えたものです。
では、その費用を実際にどうやって求めるのでしょうか。
大きく分けると、対象となる不動産について必要な費用を一つずつ調べて積み上げていく方法と、似た不動産の建築費などを参考にして求める方法があります。
前者が**「直接法」**です。たとえば建物であれば、使われている材料の量や価格、工事に必要な人件費などをもとに、対象となる建物をつくるための費用を直接積み上げていきます。
一方の**「間接法」**では、対象不動産そのものの費用を一から積み上げるのではなく、似た不動産などの建設にかかった費用を参考にします。そのうえで、建物の違いや建築された時期による価格の変化などを調整して、対象不動産の再調達原価を求めます。
つまり、「対象不動産について直接計算する」のが直接法、「似た事例をもとに計算する」のが間接法と考えると、違いをつかみやすいでしょう。
ここからは、不動産鑑定評価基準に沿って、直接法と間接法では具体的にどのように再調達原価を求めるのかを見ていきましょう。
直接法と間接法とは?
再調達原価を求める方法には、**「直接法」と「間接法」**があります。
どちらを使うかは、集めた建設事例等の資料がどれだけ信頼できるかによって判断し、必要に応じて両方の方法を併用するということです。
再調達原価を求める方法には、直接法及び間接法があるが、収集した建設事例等の資料としての信頼度に応じていずれかを適用するものとし、また、必要に応じて併用するものとする。
直接法
「直接法」とは、対象不動産をもう一度つくる場合に必要な資材・労働力などを調べ、建設費を直接積み上げて再調達原価を求める方法です。
具体的には、直接工事費に間接工事費や請負者の利益を含む一般管理費等、通常の付帯費用を加えます。実際の工事費などの明細がわかる場合は、それを適切に補正し、必要に応じて時点修正して求めることもできます。
直接法は、対象不動産について直接的に再調達原価を求める方法である。
直接法は、対象不動産について、使用資材の種別、品等及び数量並びに所要労働の種別、時間等を調査し、対象不動産の存する地域の価格時点における単価を基礎とした直接工事費を積算し、これに間接工事費及び請負者の適正な利益を含む一般管理費等を加えて標準的な建設費を求め、さらに発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を加算して再調達原価を求めるものとする。
また、対象不動産の素材となった土地(素地)の価格並びに実際の造成又は建設に要する直接工事費、間接工事費、請負者の適正な利益を含む一般管理費等及び発注者が直接負担した付帯費用の額並びにこれらの明細(種別、品等、数量、時間、単価等)が判明している場合には、これらの明細を分析して適切に補正し、かつ、必要に応じて時点修正を行って再調達原価を求めることができる。
建物及びその敷地の再調達原価
「間接法」とは、対象不動産と類似する不動産などの建設事例等を利用して、間接的に再調達原価を求める方法です。
具体的には、類似する不動産の実際の工事費や付帯費用などを調べ、必要な補正や時点修正を行い、地域要因と個別的要因の違いも比較して求めます。
間接法は、近隣地域若しくは同一需給圏内の類似地域等に存する対象不動産と類似の不動産又は同一需給圏内の代替競争不動産から間接的に対象不動産の再調達原価を求める方法である。
間接法は、当該類似の不動産等について、素地の価格やその実際の造成又は建設に要した直接工事費、間接工事費、請負者の適正な利益を含む一般管理費等及び発注者が直接負担した付帯費用の額並びにこれらの明細(種別、品等、数量、時間、単価等)を明確に把握できる場合に、これらの明細を分析して適切に補正し、必要に応じて時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って、対象不動産の再調達原価を求めるものとする。