不動産鑑定評価基準

取引事例比較法

「似た不動産はいくらで売れた?」から価格を考える取引事例比較法

自分の家や土地がいくらくらいなのか知りたいとき、近所で似た不動産がいくらで売れたのかは、とても参考になります。

このように、実際に行われた不動産の取引を参考にして、対象となる不動産の価格を求める方法が「取引事例比較法」です。

ただし、「近所の土地が2,000万円で売れたから、この土地も2,000万円」と単純に決めるわけではありません。

取引された時期が違えば、その間に地価が変わっているかもしれません。また、同じ地域でも、駅までの距離、道路との接し方、土地の形や広さなどが違えば、価格にも差が生まれます。取引そのものに特別な事情があった可能性もあります。

そこで取引事例比較法では、参考になる取引事例を選び、取引時の特別な事情や時期の違い、地域や不動産そのものの条件の違いなどを比較・修正しながら、対象不動産の価格を求めていきます。

つまり取引事例比較法は、単に「近くで売れた価格を見る方法」ではなく、実際の市場で成立した価格を手がかりに、条件の違いを丁寧に比較して不動産の価値を考える方法なのです。

ここからは、不動産鑑定評価基準に沿って、取引事例比較法でどのように価格を求めるのかを詳しく見ていきましょう。

取引事例比較法の定義

取引事例比較法は、まず多数の取引事例を収集して適切な事例の選択を行い、これらに係る取引価格に必要に応じて事情補正及び時点修正を行い、かつ、地域要因の比較及び個別的要因の比較を行って求められた価格を比較考量し、これによって対象不動産の試算価格を求める手法である(この手法による試算価格を比準価格という)

かんてい先生
かんてい先生

取引事例比較法は、単に「近くで売れた不動産の価格」をそのまま参考にする方法ではありません。

取引時の事情や時期、地域、不動産そのものの違いをそろえて、「対象不動産ならいくらになるか」に置き換えて考えるのがポイントです。こうして求めた試算価格を「比準価格」といいます。

取引事例比較法が有効な場合

取引事例比較法は、近隣地域若しくは同一需給圏内の類似地域等において対象不動産と類似の不動産の取引が行われている場合又は同一需給圏内の代替競争不動産の取引が行われている場合に有効である。

かんてい先生
かんてい先生

取引事例比較法では、**「対象不動産を買う人が、ほかにどんな不動産と比較して選ぶのか」**という視点が重要です。

そのため、場所が近いだけでなく、実際に購入候補として競い合うような不動産の取引事例があるほど、対象不動産の市場価値を捉えやすくなります。

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