再調達原価はどうやって求める?
再調達原価は、簡単にいえば**「同じような不動産を価格時点でもう一度つくるとしたら、いくらかかるのか」**を表すものです。
では、その金額はどのように調べるのでしょうか。
建物であれば、使われている材料や構造、広さ、設備などをもとに、現在の建築費を積み上げて考える方法があります。
一方で、すでに建築費がわかっている似た建物などを参考にして、建物の違いや建築された時期による価格の変化を調整しながら求めることもできます。
つまり、再調達原価の求め方は一つではありません。対象となる不動産について直接費用を積み上げて考える方法と、似た不動産などの建築費を参考にして求める方法があります。
大切なのは、単に「この建物は昔○○万円で建てた」という金額を見るのではなく、価格時点で同じような不動産を再びつくるために必要な費用を適切に把握することです。
ここからは、不動産鑑定評価基準に沿って、再調達原価を求める具体的な方法を見ていきましょう。
再調達原価の求め方
再調達原価は、以下の種別及び類型に応じて、求め方がそれぞれ異なるため解説します。
土地の再調達原価
土地の「再調達原価」は、土地そのものの標準的な取得原価に、造成費や通常の付帯費用を加えて求めます。
さらに、造成後に道路や施設が整備され、住宅が増えるなどして地域が発展し、価格水準が上昇したと認められる場合は、地域の成熟による価値の増加分を「熟成度」として加算することができます。
土地の再調達原価は、その素材となる土地の標準的な取得原価に当該土地の標準的な造成費と発注者が直接負担すべき通常の付帯費用とを加算して求めるものとする。
なお、土地についての原価法の適用において、宅地造成直後の対象地の地域要因と価格時点における対象地の地域要因とを比較し、公共施設、利便施設等の整備及び住宅等の建設等により、社会的、経済的環境の変化が価格水準に影響を与えていると客観的に認められる場合には、地域要因の変化の程度に応じた増加額を熟成度として加算することができる。
建物及びその敷地の再調達原価
「建物及びその敷地」の再調達原価は、土地または借地権にかかる原価と、建物の再調達原価を合わせて求めます。
既成市街地などで土地の再調達原価を把握できない場合は、取引事例比較法や収益還元法で求めた更地の価格を利用し、通常の付帯費用も考慮して求めるということです。
建物及びその敷地の再調達原価は、まず、土地の再調達原価(再調達原価が把握できない既成市街地における土地にあっては取引事例比較法及び収益還元法によって求めた更地の価格に発注者が直接負担すべき通常の付帯費用
を加算した額)又は借地権の価格に発注者が直接負担すべき通常の付帯費用を加算した額を求め、この価格に建物の再調達原価を加算して求めるものとする。