直接還元法とDCF法はどのように使い分ける?
収益還元法には、不動産が生み出す収益から価格を求める方法として、「直接還元法」と「DCF法」があります。
どちらも不動産の収益力に注目する方法ですが、収益を価格に置き換える考え方が異なります。
直接還元法は、一定期間の純収益を還元利回りで割ることで価格を求める方法です。比較的シンプルな計算で、不動産の収益力を価格に反映できます。
一方、DCF法は、将来の純収益を年ごとに予測し、それぞれを現在の価値に換算して合計する方法です。保有期間中の収益の変化や、将来の売却によって得られる金額などを個別に考慮できます。
たとえば、今後も安定した家賃収入が期待できるマンションと、数年後に大規模な修繕や賃料の変動が見込まれるマンションでは、収益の見通しが異なります。
そのため、対象不動産の特徴や将来の収益の見通しに応じて、それぞれの方法を適切に適用することが大切です。
また、直接還元法とDCF法は、必ずしもどちらか一方だけを使うものではありません。両方の方法で求めた価格を比較し、その妥当性を検証することも重要です。
つまり、大切なのは計算方法の簡単さではなく、対象不動産の収益力をどの方法で適切に価格へ反映できるかということです。
ここからは、不動産鑑定評価基準に沿って、直接還元法とDCF法をどのような場合に適用し、どのように活用するのかを見ていきましょう。
直接還元法及びDCF法の適用のあり方
直接還元法は一期間の収益をもとに価格を求めるのに対し、DCF法は将来の収益の変化を期間ごとに捉えるため、必要となる資料や分析の細かさが異なります。
将来の収益をどこまで合理的に予測できるか、何を明らかにするための鑑定評価なのかを考えることが、適切な方法を選ぶポイントです。
直接還元法又はDCF法のいずれの方法を適用するかについては、収集可能な資料の範囲、対象不動産の類型及び依頼目的に即して適切に選択することが必要である。