「同一需給圏」ってなに?
家や土地を探すとき、最初から「この町内の、この場所だけ」と決めて探す人ばかりではありません。
たとえば家を探している人なら、「この駅から通勤できる範囲」「隣の市でも条件がよければ候補に入れる」というように、いくつかの地域を比較しながら探すことがあります。
つまり、離れた場所にある不動産でも、同じ人から購入先として比較される関係になることがあるのです。
不動産鑑定では、このように不動産の需要と供給が互いに影響し合う地域の範囲を**「同一需給圏」**といいます。
大切なのは、同一需給圏が単純に「同じ市町村」や「半径○km以内」と決まるものではないことです。不動産の種類や利用目的などによって、どこまでが同じ市場として影響し合うのかは変わります。
不動産の価値を判断するには、目の前の土地やその周辺だけでなく、**「どの範囲の不動産と競い合っているのか」**を見ることも大切なのです。
同一需給圏の定義
ここでは、不動産鑑定評価基準に記載されている同一需給圏を、ポイントごとに分解して解説します。
同一需給圏の定義
「同一需給圏」とは、対象不動産と購入・利用の候補として競い合い、価格にも影響を与え合う不動産が存在する広い範囲のことです。
簡単にいえば、「この物件を探す人が、ほかにどのあたりの物件まで比較して選ぶのか」という市場の範囲です。
同一需給圏とは、一般に対象不動産と代替関係が成立して、その価格の形成について相互に影響を及ぼすような関係にある他の不動産の存する圏域をいう。それは、近隣地域を含んでより広域的であり、近隣地域と相関関係にある類似地域等の存する範囲を規定するものである。
同一需給圏の不動産の関係
近隣地域と類似地域は、場所が離れていても、地域の特徴が似ていれば、そこにある不動産同士が購入・利用の候補として競い合う関係になります。
そのため、一方の地域の価格や需要の変化が、もう一方の地域にも影響を与えることがあるということです。
一般に、近隣地域と同一需給圏内に存する類似地域とは、隣接すると否とにかかわらず、その地域要因の類似性に基づいて、それぞれの地域の構成分子である不動産相互の間に代替、競争等の関係が成立し、その結果、両地域は相互に影響を及ぼすものである。
また、近隣地域の外かつ同一需給圏内の類似地域の外に存する不動産であっても、同一需給圏内に存し対象不動産とその用途、規模、品等等の類似性に基づいて、これら相互の間に代替、競争等の関係が成立する場合がある。
同一需給圏の判定
「同一需給圏」の広さは、どんな不動産かによって変わります。 住宅と大型商業施設では、買いたい人が探す範囲も異なるためです。
そのため、不動産の種類・性格・規模に応じて「需要者がどこまでを購入候補として探すのか」を把握して、同一需給圏を判断することが大切です。
同一需給圏は、不動産の種類、性格及び規模に応じた需要者の選好性によってその地域的範囲を異にするものであるから、その種類、性格及び規模に応じて需要者の選好性を的確に把握した上で適切に判定する必要がある。
具体的な同一需給圏の種類
同一需給圏は、不動産が存在している地域の種別等によってその範囲が異なります。具体的には、以下の地域ごとに同一需給圏が決まっています。
これらの同一需給圏については、詳しくは各ページにて解説していきます。
- 住宅地(宅地の一種)
- 商業地(宅地の一種)
- 工業地(宅地の一種)
- 移行地(宅地の一種)
- 農地
- 林地
- 見込地
- 建物及びその敷地