「想定上の条件」をつけて評価することもある
不動産の価値は、道路の状態や土地の形、建物の使われ方など、さまざまな条件によって変わります。
では、**「もし、この条件が今とは違っていたら?」**という前提で、不動産の価値を求めることはできるのでしょうか。
不動産鑑定では、一定の要件を満たせば、実際の状態とは異なる条件を設定して評価することがあります。これが、地域要因や個別的要因についての**「想定上の条件」**です。
たとえば、現在の土地の状態そのものを評価するのではなく、ある条件を想定したうえでの価値を知る必要があるケースなどが考えられます。
ただし、自由に好きな条件をつけて評価できるわけではありません。現実とかけ離れた条件で評価すれば、その価格を見た人が「実際の不動産の価値」だと誤解してしまうおそれがあるからです。
そのため不動産鑑定では、どのような場合なら想定上の条件を設定できるのかについてルールが定められています。ここから、その考え方を詳しく見ていきましょう。
地域要因又は個別的要因についての想定上の条件
これは、実際とは異なる地域の状況や土地・建物の条件を想定して評価する場合のルールです。
こうした条件は自由に設定できるわけではなく、利用者に不利益がなく、実際に実現できて法律上も問題ないことが必要です。特に地域全体に関する想定は、都市計画や規制の変更など、公的機関が決める事項が中心になるんですね。
対象不動産について、依頼目的に応じ対象不動産に係る価格形成要因のうち地域要因又は個別的要因について想定上の条件を設定する場合がある。この場合には、設定する想定上の条件が鑑定評価書の利用者の利益を害するおそれがないかどうか
の観点に加え、特に実現性及び合法性の観点から妥当なものでなければならない。
一般に、地域要因について想定上の条件を設定することが妥当と認められる場合は、計画及び諸規制の変更、改廃に権能を持つ公的機関の設定する事項に主として限られる。