「限定価格」ってどんな価格?
不動産は、誰にとっても同じ価値を持つとは限りません。
たとえば、自宅の隣に小さな土地が売りに出されたとします。その土地だけでは使いにくくても、自宅の土地と一緒にできれば、敷地を広げたり、建物を建て替えやすくしたりできるかもしれません。
すると、その土地は一般の人よりも、隣の土地を持っている人にとって高い価値を持つことがあります。
このように、不動産をほかの不動産と組み合わせることなどによって、一般的な市場で成立する価格とは異なる価格が合理的に成立する場合があります。そこで求められるのが「限定価格」です。
ポイントは、単に「特定の人なら高く買ってくれそう」というだけではないことです。不動産を組み合わせることで生まれる価値などを理由として、限られた当事者の間で合理的に成立する価格として考えます。
ここからは、不動産鑑定評価基準に書かれている「限定価格」の定義を、一つずつわかりやすく見ていきましょう。
限定価格の定義
「限定価格」とは、土地を隣の土地と一体にしたり、一部だけを分割して取得したりすることで、その買い手にとっての価値が通常とは変わる場合に求める価格です。
簡単にいえば、「この相手がこの部分を買うからこそ生まれる特別な価値」を反映した価格です。
限定価格とは、市場性を有する不動産について、不動産と取得する他の不動産との併合又は不動産の一部を取得する際の分割等に基づき正常価格と同一の市場概念の下において形成されるであろう市場価値と乖離することにより、市場が相対的に限定される場合における取得部分の当該市場限定に基づく市場価値を適正に表示する価格をいう。
限定価格を求める場合の例示
限定価格になる代表的なケースは、**「特定の相手が土地を取得したり、土地を分けたりすることで、通常とは違う価値が生まれる場合」**です。
たとえば、借地権者が底地を買う場合、隣の土地を買って一体化する場合、土地をあえて不合理に分割して売買する場合などが該当します。
限定価格を求める場合を例示すれば、次のとおりである。
- 借地権者が底地の併合を目的とする売買に関連する場合
- 隣接不動産の併合を目的とする売買に関連する場合
- 経済合理性に反する不動産の分割を前提とする売買に関連する場合