不動産鑑定評価基準

収益還元法(還元利回り及び割引率)

不動産の収益を価格に変える「還元利回り」と「割引率」とは?

収益還元法では、不動産が将来生み出すと期待される収益をもとに、その不動産の価格を求めます。

しかし、年間500万円の純収益が得られる不動産だからといって、その価格が一つに決まるわけではありません。

たとえば、駅に近く、安定した家賃収入が期待できるマンションと、空室が多く、将来の収益に不安があるマンションでは、同じ純収益でも価値が異なることがあります。

そこで重要になるのが、**「還元利回り」と「割引率」**です。

還元利回りは、主に直接還元法で使われるもので、一定期間の純収益から不動産の価格を求めるための割合です。

たとえば、年間の純収益が500万円の場合、還元利回りが5%なら価格は1億円、4%なら1億2,500万円となります。

一方、割引率は、主にDCF法で使われるもので、将来得られる収益を現在の価値に換算するための割合です。

将来受け取るお金には、受け取るまでの時間や収益が変動する可能性などがあるため、それらを考慮して現在の価値に置き換えます。

つまり、還元利回りと割引率は、どちらも不動産の収益を価格に結びつける重要な割合ですが、その役割や使い方には違いがあります。

また、どちらも数値が少し変わるだけで、求められる不動産の価格に大きな差が生じるため、適切に判断することが大切です。

ここからは、不動産鑑定評価基準に沿って、還元利回りと割引率の違いや、それぞれをどのように求めるのかを詳しく見ていきましょう。

還元利回り及び割引率の意義

還元利回り及び割引率は、共に不動産の収益性を表し、収益価格を求めるために用いるものであるが、基本的には次のような違いがある。

かんてい先生
かんてい先生

どちらも不動産が生み出す収益から価値を求めるための利率ですが、収益をどのような視点で価格に結びつけるかに違いがあります。

還元利回りは収益を不動産の価格に換算するための利率、割引率は将来得られる収益を現在の価値に換算するための利率と考えると、両者の役割を理解しやすくなります。

①還元利回りの意義

かんてい先生
かんてい先生

還元利回りは、現在の収益だけで決まるものではなく、将来の収益が増えるか減るか、どの程度のリスクがあるかという見通しも反映されます。

たとえば、同じ年間100万円の純収益を生む不動産でも、今後も安定して収益が得られる不動産と、収益が減少するおそれのある不動産では、適切な還元利回りが異なり、評価額にも差が生じます。

還元利回りは、直接還元法の収益価格及びDCF法の復帰価格の算定において、一期間の純収益から対象不動産の価格を直接求める際に使用される率であり、将来の収益に影響を与える要因の変動予測と予測に伴う不確実性を含むものである。

②割引率の意義

かんてい先生
かんてい先生

DCF法では、将来の家賃収入の増減などを各期間の収益予測に織り込むため、その変動を割引率でも重ねて考えると、同じ要因を二重に反映してしまうおそれがあります。

つまり、将来の収益額の変化は収益予測で捉え、割引率では将来の収益を得ることの不確実性などを考慮するという役割分担が大切です。

割引率は、DCF法において、ある将来時点の収益を現在時点の価値に割り戻す際に使用される率であり、還元利回りに含まれる変動予測と予測に伴う不確実性のうち、収益見通しにおいて考慮された連続する複数の期間に発生する純収益や復帰価格の変動予測に係るものを除くものである。

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