不動産鑑定評価基準

還元利回りを求める方法

還元利回りはどのように求める?

収益還元法の直接還元法では、不動産が生み出す1年間の純収益を「還元利回り」で割ることで、不動産の価格を求めます。

しかし、この還元利回りは、どの不動産でも同じ数値を使えばよいわけではありません。

たとえば、駅に近く、安定した家賃収入が期待できるマンションと、空室が多く、将来の収益に不安があるマンションでは、投資する人が求める利回りも異なります。

そのため、還元利回りは、不動産の種類や立地、収益の安定性、将来の見通しなどを考慮して求める必要があります。

では、具体的にどのように求めるのでしょうか。

一つの方法は、実際に取引された類似の不動産について、取引価格と純収益の関係から利回りを調べ、それを参考にすることです。

また、不動産投資に伴うリスクや、将来の純収益の変動などを分析して求める方法もあります。

つまり、還元利回りは、単に周辺の平均的な利回りを当てはめるものではなく、実際の市場や対象不動産の特性を踏まえて判断するものなのです。

ここからは、不動産鑑定評価基準に沿って、還元利回りを求める具体的な方法を見ていきましょう。

還元利回り及び割引率を求める際の留意点

かんてい先生
かんてい先生

不動産への投資も、預金や株式などと同じように、どれだけの収益が期待できるかを比較して判断されます。 そのため、金融市場の金利や他の投資先の利回りが変われば、不動産に求められる利回りも影響を受けます。

また、同じ収益を生む不動産でも、立地や用途、建物の状態などによって投資家からの評価は異なるため、それぞれの不動産の特性を踏まえることが大切です。

還元利回り及び割引率は、共に比較可能な他の資産の収益性や金融市場における運用利回りと密接な関連があるので、その動向に留意しなければならない。
さらに、還元利回り及び割引率は、地方別、用途的地域別、品等別等によって異なる傾向を持つため、対象不動産に係る地域要因及び個別的要因の分析を踏まえつつ適切に求めることが必要である。

還元利回りを求める方法

かんてい先生
かんてい先生

還元利回りを求めるには、以下の4つの方法があります。

(ア)類似の不動産の取引事例との比較から求める方法

かんてい先生
かんてい先生

実際に売買された不動産の利回りは、投資家がその不動産の収益性やリスクをどう評価したかを知る手がかりになります。

ただし、取引事例の利回りをそのまま使えるとは限りません。売買された時期や取引の事情、立地や建物の条件による違いを取り除き、対象不動産にふさわしい利回りに調整することが大切です。

この方法は、対象不動産と類似の不動産の取引事例から求められる利回りをもとに、取引時点及び取引事情並びに地域要因及び個別的要因の違いに応じた補正を行うことにより求めるものである。

(イ)借入金と自己資金に係る還元利回りから求める方法

かんてい先生
かんてい先生

不動産を購入する際には、銀行から借りたお金と、自分で用意したお金では、それぞれ必要となる収益の水準が異なります。

たとえば、借入金が70%、自己資金が30%なら、それぞれの資金に求められる利回りを7対3の割合で組み合わせることで、不動産全体に求められる還元利回りを考えることができます。

この方法は、対象不動産の取得の際の資金調達上の構成要素(借入金及び自己資金)に係る各還元利回りを各々の構成割合により加重平均して求めるものである。

(ウ)土地と建物に係る還元利回りから求める方法

かんてい先生
かんてい先生

土地と建物は一体として利用されていても、価値の変化の仕方や投資上のリスクが異なるため、それぞれに求められる利回りも同じとは限りません。

たとえば、土地の価格割合が60%、建物が40%なら、土地と建物それぞれの還元利回りを6対4の割合で組み合わせることで、建物及びその敷地全体の還元利回りを考えることができます。

この方法は、対象不動産が建物及びその敷地である場合に、その物理的な構成要素(土地及び建物)に係る各還元利回りを各々の価格の構成割合により加重平均して求めるものである。

(エ)割引率との関係から求める方法

かんてい先生
かんてい先生

割引率が同じでも、将来の純収益が増えると見込まれる不動産と、減少すると見込まれる不動産では、現在の収益から求められる価格が異なります。

たとえば、今後の家賃収入が増えると予想される不動産は、将来の収益増加を織り込むことで、還元利回りが低くなるという関係があります。

この方法は、割引率をもとに対象不動産の純収益の変動率を考慮して求めるものである。

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