不動産の「種別」ってなに?
不動産は、土地や建物の使われ方や状態によって、その価値を決めるポイントが大きく変わります。
たとえば同じ土地でも、住宅地と商業地では「どんな場所が好まれるか」が違います。また、建物がない土地なのか、建物が建っている土地なのかによっても、評価の考え方は変わります。
そこで不動産鑑定では、不動産を**「種別」と「類型」**に分けて整理します。
簡単にいえば、「種別」は住宅地・商業地など不動産の用途や地域による分類、「類型」は更地・建付地など不動産が今どのような状態にあるかによる分類です。
この種別・類型を正しく判断することが、不動産の価値を適切に評価するための出発点になります。ここでは、まずは不動産の種別について詳しく見ていきます。
不動産鑑定評価基準の解釈
①種類の定義(最上位概念)
土地の種別は、その地域の使われ方に合わせて、宅地・農地・林地などに分類したものです。
たとえば宅地でも、住宅地域にある土地なら「住宅地」、商業地域なら「商業地」、工業地域なら「工業地」というように、その土地がある地域に応じてさらに細かく分類されるんですね。
不動産の種類とは、不動産の種別及び類型の二面から成る複合的な不動産の概念を示すものであり、この不動産の種別及び類型が不動産の経済価値を本質的に決定づけるものであるから、この両面の分析をまって初めて精度の高い不動産の鑑定評価が可能となるものである。
②不動産の種別(中位概念)
「種別」は、その不動産を何に使うのかという用途による分類です。
一方「類型」は、建物があるか、誰がどんな権利を持っているかなど、実際の利用状態や権利関係による分類なんですね。
不動産の種別とは、不動産の用途に関して区分される不動産の分類をいい、不動産の類型とは、その有形的利用及び権利関係の態様に応じて区分される不動産の分類をいう。
③地域の種別(下位概念)
地域の種別
地域は、その土地がどんな使われ方に適しているかによって、宅地地域・農地地域・林地地域などに分類されます。
そのうち宅地地域は、住宅やお店、工場などを建てて利用するのに適した地域で、さらに住宅地域・商業地域・工業地域などに細かく分けられるんですね。
地域の種別は、宅地地域、農地地域、林地地域等に分けられる。
宅地地域とは、居住、商業活動、工業生産活動等の用に供される建物、構築物等の敷地の用に供されることが、自然的、社会的、経済的及び行政的観点からみて合理的と判断される地域をいい、住宅地域、商業地域、工業地域等に細分される。
さらに住宅地域、商業地域、工業地域等については、その規模、構成の内容、機能等に応じた細分化が考えられる。
転換・移行しつつある地域
地域の使われ方は、ずっと同じとは限りません。農地地域から宅地地域へ変わりつつある場合や、住宅地域から商業地域へ変わりつつある場合もあります。
つまり、「今どんな地域か」だけでなく、「どんな地域に変わりつつあるか」も見る必要があるんですね。
宅地地域、農地地域、林地地域等の相互間において、ある種別の地域から 他の種別の地域へと転換しつつある地域及び宅地地域、 農地地域等のうちにあって、 細分されたある種別の地域から、その地域の他の細分された地域へと移行しつつある地域があることに留意すべきである。
④土地の種別(下位概念)
土地は、その土地がある地域に応じて、宅地・農地・林地などに分類されます。
たとえば宅地でも、住宅地域にあれば「住宅地」、商業地域なら「商業地」、工業地域なら「工業地」というように、地域の種類に合わせて土地の種類も決まるんですね。
土地の種別は、地域の種別に応じて分類される土地の区分であり、宅地、農地、 林地、見込地、移行地等に分けられ、さらに地域の種別の細分に応じて細分される。 宅地とは、宅地地域のうちにある土地をいい、住宅地、商業地、工業地等に細分される。この場合において、住宅地とは住宅地域のうちにある土地をいい、商業地 とは商業地域のうちにある土地をいい、工業地とは工業地域のうちにある土地をいう。
見込地・移行地
「見込地」は、農地から宅地へなど、大きな用途の区分が変わりつつある土地のことです。
一方「移行地」は、住宅地から商業地へなど、同じ大きな区分の中で用途が変わりつつある土地のことなんですね。
見込地とは、宅地地域、農地地域、林地地域等の相互間において、ある種別の地 域から他の種別の地域へと転換しつつある地域のうちにある土地をいい、宅地見込地、農地見込地等に分けられる。
移行地とは、宅地地域、農地地域等のうちにあって、細分されたある種別の地域から他の種別の地域へと移行しつつある地域のうちにある土地をいう。