「用途的地域」ってなに?
街を歩いていると、住宅が多く集まっている場所もあれば、お店やオフィスが集まっている場所、工場が多い場所などがあります。
このように、不動産は一つだけで存在しているのではなく、周りの土地や建物と関係しながら、その地域らしい使われ方をしています。
不動産鑑定では、住宅地なら住宅地、商業地なら商業地というように、利用のされ方が似ている不動産がまとまっている地域を「用途的地域」として捉えます。
なぜ地域をこのように分けて考えるのでしょうか。
それは、土地や建物の価値が、その不動産だけで決まるのではなく、「周りがどのような地域なのか」に大きく影響されるからです。
たとえば同じ広さの土地でも、住宅が建ち並ぶ地域と店舗が集まる地域では、土地に求められる条件も価値の考え方も違ってきます。
地域分析では、こうした用途的地域を捉えることが、不動産の価値を分析していくための重要な一歩になります。
地域分析における地域及びその特性
地域分析における地域及びその特性については、基準上でも記されていますが少しわかりにくめ。。なので区切って解説していきます。
用途的地域と同一需給圏の定義
地域分析で特に重要なのは、**対象不動産がある「近隣地域」と、それに似た「類似地域」、さらにそれらを含む広い市場である「同一需給圏」**です。
簡単にいえば、「物件のすぐ周りの地域」と「同じような不動産が売買され、価格面で影響し合う広いエリア」の両方を見るということです。
地域分析に当たって特に重要な地域は、用途的観点から区分される地域(以下「用途的地域」という。)、すなわち近隣地域及びその類似地域と、近隣地域及びこれと相関関係にある類似地域を含むより広域的な地域、すなわち同一需給圏である。
標準的使用
「標準的使用」とは、その地域では一般的にどのような土地の使い方が標準なのかを示すものです。
たとえば住宅が中心の地域なら「住宅としての利用」が標準となり、対象不動産の最有効使用を判断したり、他の地域との違いや価格差を考えたりする重要な基準になります。
また、近隣地域の特性は、通常、その地域に属する不動産の一般的な標準的使用に具体的に現れるが、この標準的使用は、利用形態からみた地域相互間の相対的位置関係及び価格形成を明らかにする手掛りとなるとともに、その地域に属する不動産のそれぞれについての最有効使用を判定する有力な標準となるものである。
標準的使用の判定方法
地域はずっと同じ姿ではなく、街の発展や人口、交通などの変化によって、地域の特徴や一般的な土地の使われ方も変わっていきます。
そのため地域分析では、「今はどう使われているか」だけでなく、「これからどう変わっていくか」まで考えて標準的使用を判断することが大切です。
なお、不動産の属する地域は固定的なものではなく、地域の特性を形成する地域要因も常に変動するものであることから、地域分析に当たっては、対象不動産に係る市場の特性の把握の結果を踏まえて地域要因及び標準的使用の現状と将来の動向とをあわせて分析し、標準的使用を判定しなければならない。
用途的地域
用途的地域には、近隣地域と近隣地域の類似地域に分類されます。なお、用途的地域は「用途的観点から区分される地域」であり、不動産鑑定士が区分するものです。
したがって、宅建等に出てくる行政機関が設定する「用途地域」とは異なりますので、混同しないようにしましょう。
近隣地域
「近隣地域」とは、対象不動産の周辺にある、住宅・商業・工業など同じような使われ方でまとまった地域のことです。
この地域の特徴は対象不動産の価格に直接影響します。また、街の発展や環境の変化などによって、近隣地域そのものも少しずつ変化していきます。
近隣地域とは、対象不動産の属する用途的地域であって、より大きな規模と内容とを持つ地域である都市あるいは農村等の内部にあって、居住、商業活動、工業生産活動等人の生活と活動とに関して、ある特定の用途に供され
ることを中心として地域的にまとまりを示している地域をいい、対象不動産の価格の形成に関して直接に影響を与えるような特性を持つものである。
近隣地域は、その地域の特性を形成する地域要因の推移、動向の如何によって、変化していくものである。
類似地域
「類似地域」とは、近隣地域と似た特徴を持ち、住宅・商業・工業など同じような使われ方でまとまっている別の地域のことです。
簡単にいえば、**「対象不動産の近隣地域と、性格や使われ方がよく似ている地域」**です。
類似地域とは、近隣地域の地域の特性と類似する特性を有する地域であり、その地域に属する不動産は、特定の用途に供されることを中心として地域的にまとまりを持つものである。この地域のまとまりは、近隣地域の特性との類似性を前提として判定されるものである。