工業地の「同一需給圏」はどこまで?
工場や物流施設を建てる場所を探すとき、企業はその周辺だけを候補にするとは限りません。
たとえば、広い土地を確保できるか、高速道路や主要道路を利用しやすいか、製品や原材料を運びやすいかなど、事業に適した条件を満たす場所を広い範囲から探すことがあります。
そのため、距離が離れている工業地であっても、工場などの立地先として同じ企業から比較・検討される関係になることがあります。
このように、工業地の同一需給圏を考えるときは、単純に「近くにあるか」だけではなく、工業地として似た役割や条件を持ち、立地先として互いに競い合う関係にあるかを見ることが大切です。
また、どこまでが同一需給圏になるかは、工業地の規模や性格によっても変わります。
ここからは、不動産鑑定評価基準に沿って、工業地の同一需給圏がどのような地域まで広がるのかを詳しく見ていきましょう。
工業地における同一需給圏
工業地の「同一需給圏」は、工場が何を重視して立地するかによって、その広さが大きく変わります。
港や高速道路など輸送の便利さを重視する大工場地では全国規模まで広がる傾向があり、消費地への近さを重視する中小工場地では、生産・販売コストの面で競争できる地域が同一需給圏となる傾向があります。
同一需給圏は、港湾、高速交通網等の利便性を指向する産業基盤指向型工業地等の大工場地については、一般に原材料、製品等の大規模な移動を可能にする高度の輸送機関に関して代替性を有する地域の範囲に一致する傾向があり、したがって、その地域的範囲は、全国的な規模となる傾向がある。
また、製品の消費地への距離、消費規模等の市場接近性を指向する消費地指向型工業地等の中小工場地については、一般に製品の生産及び販売に関する費用の経済性に関して代替性を有する地域の範囲に一致する傾向がある。
同じ宅地地域における同一需給圏
宅地地域における同一需給圏には、工業地の他に以下のものがあります。以下のページで具体的に解説しています。
- 住宅地
- 商業地
- 移行地